私も再び立ち止まってしまった。

すると次の瞬間、二人の作業員は腕を後ろに組み、
足を肩幅に広げ、私の方を向き、「ざっ」と音を立てて固まった。
ちょうど体育の授業でするような「休め」の姿勢である。
まるで訓練でもしているかのように動作が揃っている。

二人は「休め」のまま微動だにしない。
その様子が薄い暗闇の中に浮かび上がっている。

ごくり、とつばを呑む。
なんなんだこれは。なんなんだこの状況は。
じいっと前を見据えたまま、無表情で固まっている二人の前を
通り、過ぎた、瞬間、
背後で

ざざざっ

という音がした。
あとはもう、鞄を脇に抱えて一目散に家へと走った。
高校生の足は速かった。
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