京都から帰りました。
歌合せでは負けてしまいましたが、完全燃焼したので思い残すところはありません。
判者(歌合せのジャッジ)を務めてくださった東郷先生がすてきで、
ますますファンになりました。

さて、今は温泉にいます。
広い脱衣所に入った瞬間はいつも物寂しい。
うつむいて身体を拭いている同性の人たちを見るともなく見ながら、
しらけた気持ちを我慢して服を脱ぎ、湿った床を裸足で踏んで
重いガラス戸をガラガラと開けるのですが、
中へ入ってしまえば、暗い湯の光に魅了されて
すっかり楽しい気分になってしまうのです。
ああ、あったかい。
温泉最高。

嘘です。
家にいても本屋にいても図書館にいても寒いので、
私もマッチ売りの少女のごとく記憶の中で暖を取ることにしたのです。
奥歯が軋むほど寒い日が続きますね。
本当に温泉に行こうかなあ。

裸身並べ座つてゐたり温泉は光の畝を見に来るところ


(2006年1月2日)
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