pool

4号オリジナル企画
「pool世代」を考える

                   神保 元

「現代」という成熟=閉塞した時代は、方法論云々の時代ではなさそうです。柱の無い時代。理論ではなく、人気者の時代。そういった意味ではpoolという語は、短歌史的に現代のキイワードなのかもしれません。集合が同じ方向を向いていたのは過去のことです。弱い力で何故か集まった人々の中に人気者もいたりする。  まさにpool的。poolという淡白なグループは、短歌史を考察する上で、絶対に避けては通れない、一つの世代だと確信します。

4号の骨格には「pool世代」というキイワードを据えました。まず、同人の松澤くんには、世代論を書いてもらうことにしました。そして、ゲストとしてお二人の方に文章を寄せて頂きました。詩人の田中庸介さんには、「pool世代」というものが本当に可能なのか、もし可能ならば、その世代へのメッセージをお願いしました。『砂の降る教室』の批評会で語られた田中さんの言葉が、新たな形で開示されたならば幸せです。[sai]の黒瀬珂瀾さんには、私達と同様に同人誌に足場を持つ同世代歌人として、言葉を寄せて頂きました。

「pool世代」この言葉を、私達は作品をもって形にします。同人達には、短歌5首による「自画像」を求めました。短歌とはそもそも自画像なのではないかという意見もありましたが、編集担当として、同人達の作品を、より根源的な形で、手際よく開示したいと考えました。自画像とは、同人達の作品の、より濃密な部分を引き出そうとする呪言なのです。同時に、「私にとって短歌とはなにか?」というテーマで短文を求めました。これも、自己言及が生み出す歪みへの期待です。

この企画を、同時代と未来の多くの人々に、捧げます。

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